割引手形

手形の割引

例題をといてみましょう。
例題
7月8日 得意先A商店から、売掛金の回収代金として受取った約束手形200,000円(支払期日11月30日)を、 取引銀行で割引き、割引料を差し引かれた残額を、当座預金とした。このときの仕訳をしなさい。 ただし、割引日数は(両端入れ)で、割引率は年4%であった。
 約束手形を銀行へ持ち込み、割り引いています。
問題を解く前に、まずは手形の割引料の計算をします。
 
 

割引料の計算(年間トータルを求める)

 割引料といっても要は利息ですから、一年間にどれだけの利息があったかを求めればいいわけです。 簿記では「何々率の計算」といえば、だいたい一年間のあいだに、 どれだけ何々がかかると、最初に計算で求めることが鉄則です。
 
 これは企業の会計期間が一年単位の計算だから、ということが大きくかかわっているんですが、 簿記の問題ではだいたい年何%で出題されるんです。月何%でとは、あまり問題で問わないんですね。
 
 とにかく、先にまず一年間でのトータルの金額を求めます。
 
 
 手形の額面金額は200,000円です。そして定石どおり、200,000円を一年間割り引いた時の割引料を、まず先に求めます。
 
 実際の金額は、200,000×0.04=8,000で、この8,000円が、割引を一年のあいだにもししていたら、 借り続けていたら8000円がかかりますよ、という金額になります。年間の金額をもとめるのがポイントです。
 
 

 
 

割引料の計算(割引日数を求める)

 次に、割り引かれた期間の計算をします。
 
 一年間で、どれだけの日数、手形が割り引かれていたかが、わかればいいんですね。 問題文より、7月8日から手形の満期日11月30日までの日数をかぞえます。
 
 割引日数は、
7月 7月8日〜7月31日までの24日と、
8月 8月1日〜8月31日までの31日と、
9月 9月1日〜9月30日までの30日と、
10月 10月1日〜10月31日までの31日と、
11月 11月1日〜11月30日までの30日で
の計146日になります。
 
 割引日数 146日を 365日で割ると、146日/365日=0.4で、一年間のうちの、4割にあたる期間、手形を割り引いていたということになります。
 
 一年間で8,000円でしたから、その4割、0.4年間で、8,000×0.4=3,200円となり、これが問題で求める割引料になります。
 
 

 
 
 というようにこんな感じなのですがどうでしょうか?
3,200円  =  200,000  ×  4%  ×  
146日   
365日
 と公式に当てはめれば、すぐにでもでるんですが、 この先、利率の問題で、いくらか応用がききますので、理屈をぜひ覚えておいてほしいです。
 
  そして仕訳は利息分を手形売却損(または支払割引料)勘定科目(費用)として別勘定を用い、
 
 
(借方) 当 座 預 金196,800
 
(貸方) 受 取 手 形200,000
  手 形 売 却 損3,200
 
    

 
 と仕訳をします。結果、3,200円が費用として消え、 実際に残った196,800円が、この会社で現金としてお金が残ったということになります。
 
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