返品と値引

 販売目的で商品を仕入れようと仕入先へ注文し、 送られてきた商品に傷がついていたり、個数が足りなくて合わなかったりすることがあります。 そういうときにどう簿記処理をしていけばよいのかという話です。
 

返品と値引とは

・返品
 返品というのは、仕入先から仕入れに一度発送された商品を、 品違い、汚れ、破損などの理由で仕入先に返すことです。 返品するということですので、品物はなくなることになります。 値引きとの違いはここだけです。
 
・値引き
 値引きは仕入れた商品が、汚損や傷物などの理由で商品価値が減少した場合、 仕入先にクレームを申し出て、商品の一部を値下げしてもらうことです。 返品と違うところは商品はてもとに残して、値引いた代金分だけを 返してもらうというところが返品との違いになります。
 
 
 
 商品の返品・値引きの考えは、特に問題はないと思います。
 それでは確認のために問題をといてみましょう。
 
例題
現金で仕入れた商品5つ(1個あたり1,000円)のうち、2個を返品した。

返品時の仕訳

 仕入れた商品を返品した時に、どのように仕訳をすればいいのかというと、考え方としては、 返品は仕入取引の取り消しと考え、取り消す仕訳をすればいいんです。
 
 取り消す前の状態、仕入れた時の仕訳は、商品を仕入れた時に、1,000円の商品5つで、
 
(借方)  仕   入  5,000    (貸方)  現   金   5,000
 
 と問題文から分割法でこのように仕訳をしているはずです。 これを取り消す仕訳をすればいいんですね。というわけで返品時の仕訳は、
 
(借方) 現   金2,000 (貸方) 仕   入2,000

 商品を2つだけ返したということなので、2つ分を取り消す仕訳をします。
金額に注意してください、金額は取り消す分の金額1,000×2個で2,000円になります。
 
 こうすることによって、帳簿上の仕入勘定科目には、はじめ5つ分の商品を記入されたあと、 そのあと2つ分取り消される仕訳をすることによって、 最終的に仕訳勘定科目には3つ分の商品が残るということになります。
仕   入
  現  金 5,000   現  金 2,000

 また、問題文で、仕入れた時の相手勘定が現金ではなく、 掛で行われる、掛で仕入れたという掛取引の場合は、 買掛金勘定を使用して仕訳をしているはずなので、
(借方) 買 掛 金   2,000  (貸方)  仕   入  2,000
と買掛金勘定を使用して同じく取り消しをします。勘定科目がかわるだけです。

 返品・値引きの場合の簿記処理は、最初にした仕訳の反対の仕訳をして相殺をする、 というところがポイントです。
 
 この仕訳を反対仕訳、逆仕訳とよんだりします。 簿記の勘定記録法の性質をうまく利用したテクニックですね。
消しゴムで金額を消して、書き換えてはいけないんです。

取り消し時の仕訳

返品時とおなじように反対仕訳をします。
 
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