商品売買三分法の記帳のしくみは理解していただいたと思うので、実際に例題を解いてみましょう。商品売買で簿記処理をするタイミングは
の3つのポイントがあります。 三分法の勘定処理方法
仕入時
○×書店は、本を1冊あたり2,000円で、それを10冊仕入れましたから、
借方は仕入勘定科目(費用)で、貸方は現金で
と仕訳をします。 販売時
仕入れた商品のうち、7冊を販売して、支払いは現金で受け取っています。
商品を販売した場合、売上勘定科目(収益)を使用し、仕訳をします。
このときの金額は、売れた商品1冊あたり2,500円で、これが7冊ですから、 2,500×7=17,500円になります。
商品を仕入れたときは仕入勘定で、売上げたときは売上勘定科目で処理するという、 かなりあっさりしている気がしますが、こんなもんです。 仕入勘定科目には原価×数量を、売上勘定科目には売値×数量の金額を記入するところがポイントです。 決算時
三分法の場合、商品販売益をそのつど計算している分記法とは違って、
決算時に利益を計算しなければいけないんですね。商品販売益というのは、
当期の会計期間中、一体どれくらい儲かったのかという利益(粗利といいます)のことです。
このまま売上勘定科目から仕入勘定科目の金額を引くと、
売れ残った未販売の本3冊分が当期の原価として含まれて計算されてしまうので、
(前ページの最初の図の状態)繰越商品勘定科目(資産)へ振替える手続きをおこないます。
問題文から、本3冊分が売れ残ったということなので、
記入する金額は、もちろん仕入値(原価)で記入をします。 この仕訳をすることによって、繰越商品勘定へ振替えると同時に、 仕入勘定科目から棚卸資産が取り除かれることになります。 各勘定口座の動き決算時の勘定口座から、利益を計算してみましょう。
決算時の各勘定口座はこうなっているはずです。 ではこの会計期間の利益は、いったいいくらなのか?というと、
仕入勘定科目から、20,000 − 6,000 = 14,000 円 (売上原価)
ということで、商品が売れたことによって生じた当期の利益(粗利益)は、
3,500円と各勘定口座から読みとることができます。
売上勘定科目から、17,500 円(売上) 売上利益 17,500 − 14,000 = 3,500 円 (利益) また、公式からも、 17,500 − ( 20,000 − 6,000 + 0 ) = 3,500 となり、やっぱり同じ金額になります。 また、売れ残った商品6,000円は、いったいどうなるのかというと、 繰越商品勘定科目に振替えられ、棚卸資産として次期に持ち越されることになります。 このように仕入、販売、在庫管理と3つの活動をうまくからめて計算することで、 期間中の販売益の金額がわかるという記録方法が、三分法(三分割法)による記帳方法になります。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||