当座預金

 当座預金の簿記処理についてです。例によってタイミングです。
簿記は「経済活動の記録」でしたね。というわけで当座預金の簿記処理は、
 
「預入れた時」− 「引出した時」

というそのままです。 記帳のタイミングに気を付けて下さい。
 

当座預金勘定2

預入れた時の勘定処理

 当座預金口座が増加する場合は、 現金を当座預金口座に預入れた時、売上げ金を回収した時など、ケースはいろいろあります。
 
例題
10月5日 金庫にある現金10,000円を、銀行の当座預金口座へ預け入れた。

 当座預金の口座金額が増えた場合は、当座預金勘定(資産)を増加させます。
(借方) 当 座 預 金10,000
 
(貸方) 現    金10,000

 と仕訳をします。てもとにあった現金を銀行の当座預金口座へ移したことになります。借方ですね。
 
  ちなみに、支払いが現金ではなく小切手だった場合、小切手で支払いを受けた場合、 その時の勘定科目は、現金で仕訳をするんでしたね。小切手は通貨代用証券ですから。
 
 その受け取った小切手は、振出し日からおおよそ10日以内に、指定銀行で現金と引き換えるか、 取引銀行に取り立てを依頼するという処理をします。
 
 そのときの勘定処理なのですが、現金と引き換えた場合は、 通貨代用証券は現金勘定科目で仕訳をしているはずなので仕訳はしません。
 
 また、取立を依頼した場合は、銀行経由で当座預金に入金されるので、 当座預金勘定科目を増加させる上記の仕訳をすることになります。 どこに小切手を持ち込んだのかで仕訳がかわってきます。
 
 あともう一つ、会社へ持ち帰って金庫にしまわず、 ただちに取引銀行に預け入れたという場合があります。 この「ただちに」というところがくせものです。
その時は、現金勘定科目で仕訳はしないで、当座預金の勘定科目で処理をします。 現金勘定仕訳の分を飛ばしたんだ、と考えればいいと思います。 実務ではこのパターンが多いようです。小切手を会社に持ち帰ってもあまり意味がないですから。 受け取った帰りがけに、銀行へ預けてしまうようです。

 
 
【例題】
 7月12日 関東商店から売掛金20,000円の同店振出しの小切手で受け取り、ただちに九州銀行に預け入れた。
(借方) 当座預金20,000
 
(貸方) 売 掛 金20,000

売掛金とか、まだわからないかもしれませんが、気にしないで、 預金がふえたらこんな感じなんだという、雰囲気だけつかんでください。
 
 

引出した時の勘定処理

 当座預金口座の現金の引き出しには、 銀行によってはキャッシュカードを使って、普通預金のように引き出せるところもあるようですが、 基本的に小切手を使用して引き出すことになります。これを振り出しといいます。 「振出し」ってなんか特有の言い方ですね。でもそう使うらしいです。
 
 試験問題で、「小切手を振り出した」という表現を見たときは、すぐ当座預金勘定の減少を思い浮かべてください。
 
(借方) (   )×××
 
(貸方) 当座預金×××
 
 また、当座預金勘定を減らすときのタイミングですが、 これは振出した小切手を、受取人が取引銀行から換金した時ではありません。
金額を記入して、小切手帳から小切手を切り離した時に(振り出した時)に、もう仕入先の支払いはすんだものと考えます。
ですので、相手に小切手を渡すのを忘れて、金庫に眠ったままにしていたとしても、 振出したらその時点で、当座預金勘定を減らす仕訳をすることになります。
そのため、小切手をうけとった受取人が銀行へ換金するまでの少しの間、 銀行口座の実際残高と帳簿上の残高との間には、金額のズレがでることになります。 簿記3級では出題されませんが、少し頭の片隅にでも置いといてください。
 
 
【例題】
 5月25日 東京商店から10,000円の商品を仕入れ、代金は小切手で支払った。
(借方) 商   品10,000
 
(貸方) 当座預金10,000

この時の仕訳の原因が商品の支払い10,000円なので、仕訳のルールに従って、
 
  原因 : 「商品が10,000円増えて」
  結果 : 「当座預金が10,000円減った」と考え、
(借方) 仕   入10,000
 
(貸方) 当座預金10,000
と仕訳をします。
 
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