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簿記独特の計算法

このページでは簿記の記録法が影響して、一般に用いている計算法とは違う計算法を簿記では使っているというお話です。

基本的な計算法のルールについて、具体的に説明します。借方(かりかた)、貸方(かしかた)という概念も一緒におぼえてください。

勘定式計算法

簿記では、儲けや財産状況を計算しなければならないわけですが、この記録をする際の計算法が少し変わっています。

りんごを10円で仕入れて、30円で売った。もうけは?
この例を解く場合、算数の場合、いわゆる四則計算の場合、

算数の場合

資本-10+30=20円のもうけ
と計算しますが、

簿記の場合

計算結果は同じですが、書き方が変わっているんです。

1.まず計算欄を貸方(かしかた)、借方(かりかた)というふうに右側と左側に分けます。

借方が左側、貸方が右側です。

どっちがとっちか覚えられなかったら、昔から存在するベタな語呂合わせですが、

 平仮名でかりかたの「かり」、かしかたの「かし」と書いてみて、最後のはらいの部分の方向で右か左かがわかるという語呂合わせがあります。

この、借方貸方という聞きなれない言葉ですが、借方、貸方という呼び方に意味はないそうです。大事なのは、ただ記入欄から見て、右側か左側か、ということだけです。

借方と言われたら、「ああ左側か」程度で十分です。

2.どちらがプラスの側かマイナス側かをきめます。
 営業活動の一つひとつによって、左側がプラスか右側がプラスなのかが決まっています。

この場合、りんごは貸方がプラス、借方がマイナスになります。
(なぜなのかはあとの五勘定のところで説明します。今は気にしないで下さい。)

3.足し算の場合は同じ側に記入します。
 例えば、また次の日などに、りんごを50円で売った、という場合などは、売上30のつぎの行に、売上50と記入します。


算数で計算した場合は、30501070と計算しますね。

4.引き算の場合は反対側に記入します。
 「−」の記号を使わなくても、反対側に書いたらマイナスですよ、というルールなんです。

取り消す場合も同様です。例えば仕入れたりんごが傷んでいたから返した、という時は、記入欄をけしゴムで消すことはしないで、引き算の時と同じく、反対側に買った時と同じ金額を記入をします。

5.合計を出します。
 経済活動ごとに書いていき、月末や年度末などの一定の期間の終わりに、マイナス分はマイナス分、プラス分はプラス分で足し、最後にまとめて合計を計算します。

これが簿記の記録・計算方法です。「+」「-」の記号を使わなくなったという感じです。すこし小難しい簿記参考書には、勘定式計算法とか書いてあります。ですがこれは覚えなくていいです。

この方法は実際使ってみると、結構便利です、帳簿に記入した時点で、計算の工程の半分はもう終っているんですね。

しかも上から書き足していくというだけですから、単純で、計算ミスも少ないですし、もし知らない人が引き継いでも、一行づつ書くという記録方法は決まっていますから、ルールを知っている人なら誰でもつづけて記録・計算をすることができます。

つまり多人数で行う、企業の膨大な数の量をこなす、経済活動の記録にはもってこいの記入・計算方法なんですね。

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