試算表それでは、決算手続中に登場する個々の表について説明していきます。最初は試算表についてです。 試算表は、すでに学んだ借方と貸方の合計が常に一致するという、 貸借平均の原理の性質を利用して、ミスがないかをチェックをする表のことをいいます。 試算表でチェックの意味試算表はちょっと横に置いておいて、チェックについてですが、 チェックというのは一体どういうことかというと、 すこし思い出してほしいのですが、仕訳をした時、 借方と貸方、左右の金額は必ず同じ金額だったと思います。例:
一つの取引を、異なった視点でみているからでしたね。
同じ金額ということは、借方なら借方側全部、
貸方なら貸方側すべての金額を集計をした時、
貸方全体の総計と借方全体の総計同士は、どんなに取引量が多くても、
たとえ何万回取引を行っていたとしても必ず一致をするはずです。
反対に、貸借が一致しないようであれば、 どこかで記入ミスや各勘定口座への転記ミスなどをしていることが、 仕訳の原理からわかります。 試算表は、この仕訳の原理を利用して、 総勘定元帳の各勘定口座にきちんと今までの取引が記入 されているかをチェックするために作成されます。 また、この試算表を作成するという作業は、極端なことをいえば、 帳簿をきちんとつけていれば、必要のない作業なんだということになります。 ということで、この理論にもとづいて、試算表の作成が行われることになります。 では、試算表の作成はいつ行われるのかというと、 全体の流れの図をみていただきたいのですが、 仕訳帳から総勘定元帳へと転記が進み、 さらに決算へと向かうのが簿記の一連のながれになるわけですが、 試算表は勘定口座の記入にミスがないかをチェックをするための表ですから、 期中の取引が全て終ったあと、かつ、修正がされる前にチェックをするのがベターですね。 このような点で、決算の手続きに入った一番最初に、 タイミングとしては作成されることになります。 試算表を作成して、金額が一致していれば、 いままでの会計期間中の総勘定元帳への勘定記入は正しく 行われていたんだということがわかることになります。 <仕訳データの動き>
仕訳帳 →
転記 →
総勘定元帳 →
集計 →
試算表
ちなみに、いま話をしている試算表は、 決算時に作成される試算表の話ですが、 一定の期間単位ごとに作成されるという条件であれば、 もちろん決算時以外にも試算表を作成してチェックをすることは可能です。 <作成時期による分類>
このそれぞれの表は、「作成しなければならない」というような 強制をしいるようなものではなくて、月なら月ごとにと、 その企業の取引量に応じて随時作成される試算表ということになります。 この試算表を作成して、 一定期間ごとの営業活動の概要を知ることができればあとあと楽ですよ、 ということですね。一年分をまとめてチェックをするよりも、 月計表を月ごとに12回作成していったほうが、ミスは少なくて済むでしょう。 ドミノのストッパーみたいなイメージです。 それぞれの試算表を作成することによって、 期中に仕訳帳から総勘定元帳への転記が正しく行われたかどうかがわかり、 そのあとに行う、決算手続きの作業がスムーズに進む、ということになります。 試算表の種類試算表の仕組みがわかっていただけたとおもうので、次に試算表の構造についてです。試算表にはどのような形式の試算表があるのかというと、 合計試算表、残高試算表、合計残高試算表の3種類の形式があります。 合計、残高、合計残高と○○試算表というように頭についています。 ですが、このうちの合計残高試算表は、言葉のとおり、合計試算表と残高試算表を 一つにしてまとめたというものなので、他の2つがわかれば問題はありません。 | |||||||||||||||||||||||||