未収金・未払金

 まあリクツ云々は抜きにして

商品売買から生じる債権     →  売掛金勘定
商品売買から生じる債務     →  買掛金勘定
商品売買以外から生じる債権  →  未収金勘定
商品売買以外から生じる債務  →  未払金勘定

 と、機械的におぼえてしまってもいいかもしれません。
 
 それでは問題を解いてみましょう。
 
例題
7月3日  コンサルタント業を営んでるA社は営業用のトラックをB社から60,000円で購入し、 代金は月末に支払うことにした。
 
7月31日 A社はかねて購入したトラックの代金を現金で支払った。
 
このときのA社、B社それぞれの仕訳をしなさい。なお、B社はA社と同業である。
 掛で売却・購入する契約をしたとき、決済したときの仕訳という、 未収金・未払金の典型的な例題です。
 
  まずは買主A社の経理係になった気持ちで考えてみましょう。
 
 

買主(債務者)の場合

 問題文より、商品売買目的外の債務ということで、 科目は買掛金ではなく未払金(負債)を使用します。
 
 
  A社 7月3日
(借方) 車両運搬具 60,000
 
(貸方) 未  払  金 60,000

 
 買掛金勘定科目ではなく、未払金勘定科目を使用するとによって、 商品売買目的以外で生じた支払わなければならない債務があるということが帳簿上わかることになります。
 
次に7月31日に現金で支払ったということですから、
 
 
 A社 7月31日
(借方) 未  払  金 60,000
 
(貸方) 現      金 60,000

 
  未払金という債務を減らすと同時に、現金も減らすという仕訳をします。
 
 
 

売主(債権者)の場合

 次にB社です。B社は営業用のトラックをA社へ売却したということですが、 問題になるのはあとで支払うということですから、 売掛金か未収金の勘定科目のどちらを使えばいいのかということですね。
 
 そこで手がかりはないかなと見てみると、 問題文の最後に、「 B社はA社と同業である 」 とあるので、 B社は販売目的で売ったのではないということがわかり、 使用する勘定科目は未収金(資産)になり、
 
 
 B社 7月3日
(借方) 未  収  金 60,000
 
(貸方) 車両運搬具 60,000

 
となります。
 ちなみに営業用のトラックは固定資産ですから、売却をすると通常損益が発生することになるのですが、 問題文は触れていないので、損益はなかったとみなして無視をします。
次に現金で支払ってもらったときは、
 
 
 B社 7月31日
(借方) 現      金 60,000
 
(貸方) 未  収  金 60,000

 
 と仕訳をします。
 
 以上が未収金・未払金の基本的な記帳のしかたになります。試験もこんな感じで出題されます。
 
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