有形固定資産

減価償却の計算方法−定額法

 減価償却費をもとめる計算法のうち、一般的に利用されているのが定額法という計算方法で、 定額法という計算方法は具体的に、固定資産の価値が毎年同じ額だけ下がると考えて、具体的には取得原価から 残存価額を差し引いた残りを、耐用年数で割った金額が減価償却費になるという計算法です。
 
 計算式でいうと、このようになります。
 
 <定額法の計算式>
(1年あたりの)減価償却費 =( 取得原価 − 残存価額 )
耐用年数

 
 それでは計算式を確認がてら、実際に例題をといてみましょう。
例題
平成×1年1月1日に購入した取得原価1,000,000円のA社建物を、 本日平成×1年12月31日決算日につき減価償却を行う。
このときの減価償却費を求めなさい。 なお、建物の残存価額は取得原価の10%で、耐用年数は5年とする。

 
 A社建物の減価償却費を求める例題です。 耐用年数が5年の建物 ・・・・・みてみたい ( ゚Д゚) ポカーン
 
 A社は建物を使用したことにより、建物の価値が減少しています。 その価値の減少分を固定資産の価値の減る特徴ごとに 合理的に算出しようという考えが、減価償却の考え方でした。
 
 そして有形固定資産のうち、 建物は定額法という償却法が合理的なので、定額法で計算をすることになります。
 
 
 
 
 また、減価償却費は決算日に費用として決算書に計上されます。 この費用分は、単に損をしたということではなく、 建物を使用することで営業に貢献をした価値のある費用と考えることができます。
 
    建物がなければ仕事ができませんね。 仕事ができなければ当然、利益を出すこともできません。

 ということで、減価償却費は商品売買の仕入のときとは違って、 直接的には原価として計算はされずに、 間接的に原価に含まれるということになるのも特徴です。(期間費用)
 
 この期間費用という考え方も知っておいてください。 試験には直接聞かれることはありませんが、日常生活でも、とても有効な知識です。
 
 利益に対して直接捕捉することができる費用と、 利益と費用を直接とらえることができないが、一定期間のあいだで捉えると、 利益に貢献している費用もあるということです。
 
 減価償却費はそんな性質の費用になります。
 
 
 
 
 
 話が深くなってしまいました、減価償却費を求めましょう。
まず最初に、取得原価1,000,000円から、残存価額を引きます。
カッコの中を先に計算しましょう。1,000,000−1,000,000×0.1=900,000円となります。
 

 
 この900,000円は、いったい何を示した金額なのかというと、 減価償却で最終的に償却・費用化されていく総額になります。 この900,000円から毎期ごとに一定額を差し引いていき、 最終的には0円になっていくというのが定額法です。
 
 もし耐用年数期間の5年を使い続けたら、費用化される金額が900,000円ということになります。
 
 では反対に、残った100,000円はなにを表すのかというと、残存価額になります。
 
 残存価額というのは、固定資産が最終的に使えなくなっても、 売って得られるであろう処分価額のことをいいます。使えなくなったゴミでも売れるんですねぇ・・・・。
 
 さて、続きを・・・・ 建物を使用した期間は1年間だけですので、 900,000/5年で180,000円が、当期中の間に「営業に貢献をした期間費用」 減価償却費として計上されることになります。
 
 

 
答え  180,000円

 
 各会計期間に配分しようとする考えが定額法による減価償却費の計算になります。
 
 
<会計年度途中から取得した有形固定資産の減価償却の計算>
 いまの例題の場合は、会計期間のはじめから有形固定資産を購入をした場合でしたが、 会計年度の途中で固定資産を取得することもあります。 この場合の減価償却費を求めるばあいは、月割で計算することになります。
減価償却費 =( 取得原価 − 残存価額 )
耐用年数
× 使用期間(月数)
12ヶ月
 考え方としては、使用した期間を費用として配分するという考え方なので、 もとめた減価償却費の金額は1年あたりの金額でしたから、 これを使用した期間分をさらに割って求めればいいんですね。
 
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